メルマガ「ビジネスは伝わってナンボ!」179号
書籍の没案件①
2026年7月6日(月)配信
おはようございます。
スマートプレゼンの新名です。
先週は台風が心配でしたが、今週も!
もうこの時期の宿命ですが、このメルマガを書いている日曜日夜現在も
まだ飛ぶはずの飛行機が飛びません(笑)。
はやく飛びたいものです…
と言いながらも今週はスタートです。
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日曜日はある技術者向け雑誌に記事を書いておりました。
テーマは「巻き込み力」ですが、書いているうちに進化してきました…
毎日研修を実施しておりますと、ちょっとづつコンテンツは動きます。
なのでたまには書き物で記録に残すことも大事ですね。
これはこれでまたご案内いたしましょう。
その中で本年、新刊として上梓させていただいた「プレゼンの強化書」の初稿を見返しておりました。
すると編集の段階で不採用になった原稿もあります。
ケーススタディをたくさん作りました。
ということで不採用の中から、ここで本邦初公開!
愉しんでくださいませ。
「資金調達を目的とした新規事業プレゼンテーション」
北海道の日本海側に位置するN町は、人口わずか6,000人。
冬は厳しい寒さに閉ざされ、町の基幹産業である漁業も高齢化と後継者不足に悩まされていた。
かつて活気あふれていた漁港も、今では出漁する船の数が半分以下。
町を出た若者が戻ってくる理由も少なく、このままでは産業も地域も衰退してしまう——そんな危機感が、町全体を覆っていた。
その状況を変えたいと立ち上がったのが、地元出身で東京のIT企業に勤めていた佐々木翔平(34)だった。
彼の父は現役の漁師で、幼い頃から海と魚の匂いに囲まれて育った。
大学進学で町を離れ、ITエンジニアとしてのキャリアを積んだが、数年前、父が「もうそろそろ引退を考えている」と口にしたことが胸に刺さった。
佐々木は帰省のたびに漁港を訪れ、漁師仲間たちの話を聞いた。
すると、漁獲量の減少だけでなく、「いつ、どこで、どれくらい魚が獲れるか」が年々読みづらくなっているという声が多かった。
経験豊富なベテラン漁師ですら予測が外れることも増え、燃料代や人件費の負担が漁業経営を圧迫していたのだ。
そのとき佐々木の頭に浮かんだのが、AIとIoTを組み合わせた「漁獲量予測システム」だった。
過去の漁獲データ、海水温、潮流、天候、衛星画像などを統合し、最適な漁場と時間を予測する仕組みだ。
東京で磨いたエンジニアのスキルを、地元のために使えるのではないか——その想いが彼を突き動かした。
とはいえ、開発には資金が必要だ。
試作品は自費で作れるとしても、実証実験や本格運用には最低でも1,500万円は必要と見積もった。
銀行融資も検討したが、創業間もないスタートアップにとってはハードルが高い。
そんなとき、地元金融機関から「北海道ビジネスコンペティション」の存在を教えられた。
優勝すれば1,000万円の助成金と複数の投資家とのマッチングが受けられるという。
「やるしかない」。佐々木はエントリーを決意したが、最大の不安はプレゼンテーションだった。
これまでの仕事はシステムの裏方が中心で、人前で話す機会はほとんどない。
しかも審査員は投資家、自治体関係者、大学教授など多彩な顔ぶれ。彼らの関心をつかみ、短時間で魅力を伝えなければならない。
そこで佐々木は、ビジネスコンペ経験者の知人に相談し、「まずは数字よりも、課題と自分の想いを語れ」という助言を受けた。
そこからプレゼンの構成を練り直し、冒頭はN町の現状と漁業の課題を写真や動画で直感的に伝えるスライドに変更。
中盤ではシステムの仕組みを簡潔に説明し、最後に「この町の未来像」を描くストーリーボードを加えた。
迎えた当日、佐々木は緊張で手が汗ばんでいた。
だが、スライドが映し出された瞬間、会場に映る寂れた漁港の写真を見た審査員の表情が変わったのを感じた。
「これは、僕の父が毎朝出ている港です。でも、この光景はあと10年もすれば消えてしまうかもしれません——」
その一言で、会場は静まり返った。
続いて彼はシステムの試作版をデモ動画で紹介。
実際に漁師仲間に協力してもらったテスト漁では、予測通りの漁場で通常の1.4倍の漁獲量を達成できた事例を提示した。
さらに、「燃料代を年間20%削減できる可能性がある」という試算も添えた。
「でも、これは単なる効率化の話ではありません。漁業が持続可能な産業として次世代に受け継がれるための第一歩なんです」
最後は、漁師の笑顔や子どもたちが漁港で魚を手にする映像を流し、こう結んだ。
「僕は、この町に戻ってきたのは偶然ではないと思っています。父や仲間から受け取った海を、次の世代に渡すために
——この事業を、ぜひ一緒に育ててください」
発表後、審査員からの質問は技術的なことよりも、「どうやって漁業者を巻き込むか」「事業をどう持続させるか」という実践面に集中した。
それは、このプレゼンが机上の空論ではなく、現場に根ざした計画だと認められた証だった。
結果は——優勝。
助成金1,000万円に加え、道内の投資ファンドから追加出資も決まり、合計2,000万円の資金調達に成功した。
翌月からは町内の漁師15人と共同で実証実験が始まり、佐々木のシステムは漁港の新しい風景として根付き始めた。
・・・
という感じでこのようなものも作っていたのですね。
お読みいただき感謝です!
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さ、このあと無事に飛べば、みなさまがお読みいただいているころには高知!
さあ、どうなるか?
みなさま、良い一週間を。
