みなさま、おはようございます。
スマートプレゼンの新名です。
ついに来ました12月です。
走る月。
いつもですが。
今月の一週目は高知→広島→東京→大阪→東京と走ります。
まずははりまや橋近辺から。
そんなこんなで今週もスタートです。
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先日、母校の大阪公立大学の先生がご発表された以下の論文を見つけましたので読んでみました。
Friendship bias in peer assessment of EFL oral presentations(Tanaka, 2025)
EFL(外国語としての英語)におけるスピーチ相互評価における友人バイアス
田中美津子(大阪公立大学)
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/0969594X.2025.2570248#abstract
英語のスピーチの授業において評価に学生自身が参加することでどのような影響があるか?
という研究事例です。
これは研修における受講者同士の相互フィードバックとも関連するので興味深い内容です。
その前に、そもそも私は日々研修をご提供しておりますが、果たしてどれくらい受講者をやってきたか?
私が新入社員の時は、入社して2週間くらいは研修がありました。
ただ、外部講師を招いての研修らしき研修はなし。
(マナーは外部講師でしたが、専務の奥さんだった・・・)
2年目からはすでに社内講師をやっていたので、いわゆる階層別研修の受講経験はなし。
その後は自分が呼びたい外部講師を予算とって呼んでいたので、聞く気は満々。
ということでモチベーション低くて受けた研修経験は一回もなし。
なぜこのようなことを考えたかというと、受講者同士の評価はこの最初のモチベーションも影響するだろうな・・・
と思ったので。
それはさておき、本研究の結果は興味深かったです。
結果としては、
・友人バイアスは「小さいが確実に存在」
・女性評価者は一貫して寛容
・発表者の性別は影響しない
・プレゼンスキルは評価行動に影響しない
・個人差(評価者ID)が全体の説明力の大部分を占める
学生なので、友人なのかどうか?は確かに影響しそうですね。
確かにそれはあるが、そう大きなものではない、ということでした。
これを社会人教育に置き換えると、学生以上に影響しそうなのが、
・通常の関係性におけるパワーバランス
・通常の関係性における好き嫌い
・通常の仕事における力量認識
学生だと興味ない人とは付き合わなくてもなんとかなりますが、社会人はなかなかそうもいかない・・・
また、最初から「できる人」という認識があるとそれ自体がバイアスになる。
そういう意味では、それがあまり入らない公開講座における評価は公平かもしれない。
ただし、公開講座ではお互いに「嫌われたくない」という気持ちも働くので、まるーい評価になりがち。
結局はバイアスは何にかしら影響すると思います。。
ただ、大事なことはそれを含めての実社会だということ。
そもそも自分の評価もある程度バイアスがかかった状態で得られたもの、という認識で、最終的には自己認識をしないといけないでしょうね?
社会人教育における研究を誰かやってくださいまし!
本研究の示唆を以下に示します。
■ Implications(教育的示唆)
本研究の結果は、相互評価を公平に運用するための重要な示唆を提供する。
1)バイアスの存在を学生に知らせること
友人バイアスや性別バイアスのメカニズムを学生が理解することで、無意識の得点操作が抑制される。
2)ルーブリックと評価者トレーニングの重要性
評価基準の明確化と共有は、バイアスと評価者間のばらつきを減らし、評価の一貫性を高める。
3)成績反映の際は評価比率を調整する
極端な高得点の除外や、教師評価との併用(トライアングレーション)が公平性を高める。
4)教師評価との併用による効果
教師評価も完全に無バイアスではないため、相互評価との組み合わせが総合的な公平性を高める可能性がある。
■ Limitations(研究の限界)
1)単一大学での調査
文化的背景が強く影響する可能性があり、他大学・他文化での検証が求められる。
2)男女比の偏り
男性が多いため、性別効果の厳密な比較には限界がある。
3)友人関係の測定方法
自己申告による尺度であるため、個人ごとに基準が異なる可能性がある。
4)定量データ中心
インタビューなど質的データを用いれば、バイアスの深層的な理解が可能だったかもしれない。
5)非フィードバック型の評価形式
他の授業形態(対話型・形成的評価)では異なる結果が出る可能性がある。
■ Conclusion(結論)
本研究は英語プレゼンテーションにおける相互評価に、小規模ながら友人バイアスと性別バイアスが存在することを示した。
・友人バイアス → 小さいが有意
・性別バイアス → 女性は寛容
・発表者の性別 → 影響なし
・プレゼンスキル → 影響なし
しかし、これらのバイアスはごく小さく、教師評価との相関も高いため、適切に設計された相互評価は有効な教育手法であると言える。
結論として:
「バイアスを理解した上での相互評価運用」が、公平で多面的な評価システムの構築に寄与する。
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今週は天候はそこそこ良いようですが、だんだん寒くなりそうですね。
まだそこまでの防寒をしておりませんが、気温差に要注意。
講師も走りますが、みなさまも走られると思いますので、ご安全に。
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